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コラム第３８（2005/1１/８UP）
「情報検索のヒント −情報の加工・編集−」
キーワード 「Ｍ＆Ａ」 で、過去５年分の新聞記事を検索した。
で、そのヒットした記事中で 「Ｍ＆Ａ」 と同時に出現している頻度が高いワードは、
２００３年頃までは 「リストラクチャリング」 や 「事業再構築」 が多いが、
２００４年以降は 「競争力回復」 や 「事業多角化」 が増えてきている。
例えば、 ↑こんなふうに
検索し収集した情報やデータは、加工・編集することにより 「判断しやすい形式」 にまとめるのが一般的です。
これが、「情報の加工・編集」 です。
今回は、情報検索の最終作業である、この 「情報の加工・編集」 について、ご案内したいと思います。
●基本的な加工・編集
＜表形式＞
学術文献や特許文献、新聞記事、判例などを単純に 「時系列での流れや傾向」 「技術分野別の出願件数」 などで
ＥＸＣＥＬなどを使った表形式にまとめる方法です。
各データの重み付け（重要、要注意、参考など）をすることも多いです。
＜関連付け＞
ＫＪ法 や マトリックス法 などを使って、情報を関連付けながらまとめる方法です。
ＫＪ法 や マトリックス法 は、一般的な問題解決の手法としてもお馴染みだと思いますが、
検索した情報の編集にも利用できるわけです。
最初に、ご紹介した新聞記事検索の例 「キーワード Ｍ＆Ａ と同時に出現している頻度が高いワード」 も
この、関連付けでのまとめ方のひとつです。
手作業で行うことも多かったのですが、最近はテキストマイニングのソフトを利用する機会も増えてきています。
また、トピックマップ法を利用したデータのインデックス化による資料整理方法も注目されてきています。
☆用語説明☆
テキストマイニング：主に「自然文」の多数データから、種々の統計解析手法を用いてデータを分析し、
隠れた関係性や意味を見つけ出す知識発見の手法やプロセスのことです。
「マイニング」は「採掘」という意味です。
トピックマップ：言葉を他の事柄との関係性に基づいて分類し重み付けする方法のことです。
各データが持っている複数の主題と、その各主題間の関係などを、
“トピック” “関連” ”出現” という構成要素でモデル化してコンピュータ処理可能にしたものです。
●パテントマップ
情報の加工・編集では、特に特許情報を対象とした解析加工＝「パテントマップ」が有名です。 「特許マップ」ともいいます。
特許情報は、データ量が他の文献とは桁違いに多いこともあり（日本国内の特許だけで毎年約３５万件公開されます）、
かなり早い時期からデータの解析加工の技術が発達してきました。
「出願人」 や 「技術分類（ＩＰＣ）」 「出願日」 などをキーに、さまざまな統計手法を使いながら
ランキング・占有率・時系列・相関関係・技術ポートフォリオなど、視覚的に処理します。
このパテントマップ作成ツールは、様々なものが各社から出されています。
自社に適したソフトをお選びいただければ宜しいかと思います。
なお、特許庁では注目度の高い技術分野９４テーマについて、パテントマップ（特許マップ）を作成しています。
また、独立行政法人工業所有権情報・研修館でも特許流通支援チャートとしてパテントマップを作成しています。
これらは、インターネットを介してどなたでもご覧いただけるものです。
自社の研究開発に関する分野のマップが発行されていれば、是非ご利用なさってみてください。
“パテントマップって、どういうものか” という見本としても分かりやすいと思います。
さて、今年の４月から続けて書いてきました「情報検索のヒント」シリーズは今回が最終回です。
昨年このコラムを開始したときは、なるべく即効性がある「すぐに使える情報検索」をご案内してきました。
でも、すぐに役立つ検索サイトなどをご紹介しても、やはり検索の基本的な部分を身につけていないと
結局、情報が探し出せない、ということが分かってきました。
そこで、この４月からは「検索に入る前の準備」から初めて、今回の「検索後の情報加工・編集」まで
「情報検索の基本」をひととおりご紹介してみました。いかがでしたでしょうか。
この半年間でご案内した内容に、少しでも皆さんの役に立つ部分があったならば幸いです。
では次回は、この「情報検索のヒント」のまとめも兼ねて、たまにはコラムらしく(？)雑文を書いてみたいと思います。
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